外国人労働者は約182万人(2024年10月2018年同月146万人同期比約2割増加)と過去最高を更新、日本の労働力不足解消のため、外国人労働者の受け入れが増加しています。人手不足が深刻になる中で、外国人労働者の4分の3が従業員数499人以下の事業所で働いており、中堅・中小企業にとってなくてはならない存在になっています。
そこで、外国人労働者を受け入れる際の注意点、方法、成功事例などを解説していきます。
外国人労働者の活用の注意点
雇用までの手続について
外国人労働者を入社させる際の手続きとして、日本人と同様、雇用契約の締結の他、雇用保険や健康保険などの手続きが必要です。加えて、入管法に関わる手続き、特に在留資格の取得や変更、在留期間の更新などの手続きが生じます。在留資格や在留期間に関する手続きは基本的に外国人労働者本人が行ないますが、企業が代理で行ったり、入国管理局の資格を持った申請取次行政書士なだが必要な書類を準備することもできます。また、就労可能な在留資格は何種類もあり、それぞれで学歴や実務経験といった取得要件が異なるので要注意です。
入国手続きに不備があったり、在留資格の取得・変更ができなかったりすれば入社できなくなるケースもあるので、法律の専門家などに相談し、しっかりと受け入れ体制を整える必要があります。
コミュニケーションについて
企業に採用されるまでにある程度日本語を習得している外国人労働者が多いものの、日本語能力が不十分であるケースも少なくありません。そうした場合、職場の同僚や顧客などとコミュニケーションがうまく取れず、トラブルになる可能性があります。
これを予防するためには、日本語能力の向上をサポートする施策を用意するひつようがあるでしょう。また、考え方や価値観が日本人と大きく異なる可能性を事前に考慮しておくべきです。例えば、従業員が協同で行っている清掃や終業後の飲み会なども業務外だからという理由で参加しない、というケースもあります。
就業規則に違反する行為でなくとも、ちょっとした価値観の相違をきっかけに、他の従業員との関係が悪化し、チームワークに影響が出るリスクがあります。
こうした事態を防ぐためにも、外国人労働者の入社前に企業として職務範囲についてどのような対応をとるかを決め、既存の従業員に充分な説明やダイバーシティ教育を行っておくことが重要です。
【 まとめ 】
外国人労働者の活用は、現在の日本経済や企業の発展に欠かすことのできない重要な施策といってよいでしょう。政府は人材の確保などにおける施策として「外国人材の活用」を盛り込み、以下の5項を推進しています。
(1)高度外国人材を更に呼び込む入国・在留管理制度の検討
(2)外国人留学生、海外学生の本邦企業への就職支援強化
(3)グローバル展開する本邦企業における外国人従業員の受入れ促進
(4)在留管理基盤強化と在留資格手続きの円滑化・迅速化
(5)外国人受入れ推進のための生活環境整備(外国人材受入れの在り方検討)
外人を単なる単純労働者の補充要員と考えるのではなく、イノベーションを促進する貴重な人財として考えたうえで若い労働量の確保や、社内の活性化を図る人員としてみたり、将来海外展開などグローバル化を視野に入れた事業推進の円滑化をになっているのではないでしょうか。
そのためには、雇用までの手続の困難さや日本語能力の不足によるトラブル、考え方や価値観の相違によるトラブルなどに対する受け入れ企業のフォローアップ体制が重要と言えます。
現在、日本では労働力不足が大きな問題となっています。これを機に、外国人雇用を優秀な人材を確保する手段の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
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