認知症対策!!「家族信託契約」

家族信託契約は、家族の財産管理や資産保護のために作成される契約です。一般的に、財産を信託に移すことによって、財産の管理や配分、保護を特定の目的に基づいて行うことができます。

家族信託契約契約を締結していることで、認知症と診断された場合「成年後見制度」と比べて柔軟な対策をとることができるので、事例を含めて概要を説明いたします。

家族信託の関係当事者

委託者(親): 信託財産を提供(預ける・託す)する人です。
受託者(子): 信託財産を管理・運用する責任を持つ人です。信託管理者は、法的な義務を遵守し、受益者の利益を保護する役割を果たします。
受益者(親): 信託財産から生じた利益を受ける権利を持つ人です。


家族信託を簡単に言うと大切な財産を信頼できる人(家族)に託し、管理・運用をしてもらう制度です。

信託財産

信託契約によって指定された財産や資産の総称です。これには、現金、不動産、株式、債券、事業、知的財産などが含まれる場合があります。


成年後見制度

認知症対策として思い起こされるのが、成年後見制度(法定後見・任意後見)ですが、家族信託契約との大きな違いは、財産の運用・処分は本人のための支出のみであり、投資や運用、贈与等はできません。また、認知症と判断された場合家庭裁判所の審判により法廷後見人が任命され財産管理を行いますが、その際法律専門家が行う場合はある一定の報酬が発生します。

認知症対策として「家族信託契約」を締結するメリットとは?

財産管理の継続性:

認知症の進行により、本人が財産管理や金銭の取り扱いに十分な能力を持てなくなる可能性があります。家族信託契約を通じて、認知症の発症前に事前に指示や配分を行っておくことで、財産管理の継続性を確保できます。信託管理者が適切な財産管理を行い、受益者のニーズや目的に基づいて資産を運用・配分することができます。

財産保護:

認知症の進行に伴い、本人が財産に関して脆弱になる可能性があります。詐欺や悪意のある取引からの保護や、本人の意思に反した財産の無駄遣いを防ぐために、信託契約を活用することが有益です。信託財産は信託契約に基づいて管理されるため、本人の意思に反する不適切な取引を制限することができます。

医療・介護費用の確保:

認知症の進行に伴い、医療や介護にかかる費用が増えることが予想されます。家族信託契約を通じて、信託財産を活用して医療や介護費用を確保できます。信託契約によって資産の適切な管理と使途の制御が行われ、受益者の医療・介護ニーズをサポートするための資金を提供することが可能です。

相続争いの防止:

認知症の進行により、相続に関する問題や紛争が発生するリスクが増えます。家族信託契約を活用することで、信託契約に従って財産の配分や管理が行われるため、相続時の紛争を防ぐことができます。信託契約に明確な指示を盛り込むことで、本人の意図や家族の将来のニーズに基づいた公平な財産分配を実現できます。これにより、相続争いや家族間の緊張を軽減し、円満な相続手続きを促進することができます。

事例

認知機能が低下気味であり、介護のために高齢者施設に入所することになった場合に、自宅のほか収益不動産を所有したとして、入所した後の管理について収益不動産の収入は、施設での生活費に充て、施設に入所したその後認知症などで意思能力を喪失ことのことを考えて、家族信託契約を締結し、自宅と収益不動産の管理等を受託者(子)に託すことで、不動産の修繕、管理、契約の更新などを委託者(親)が行い信託した収益不動産の収入についても、受益者(親)が信託口座で管理するこことで不動産の管理や親の生活費の支弁に影響は出ないようにするなど、成年後見制度と比較して柔軟な形で将来を見据えた契約でご家族の安心と安全を確保する仕組みが作れることがこの制度の大きなメリットです。

【 まとめ 】

存家族信託契約は、家族の財産管理と資産保護のための強力な手段ですが、個別の状況によって異なる要件や制約が在することを覚えておいてください。専門家の助言を受けながら、信託契約の作成と運営を行うことをお勧めします。

 ⇩家族信託契約についてのお問い合わせは

「 行政書士 MKリズム オフィスホームページ 」へ