自筆証書遺言の“検認”について

自筆証書遺言は、遺言者自身が手書きで作成し、日付と署名・押印をした遺言書のことを指します。自筆証書遺言を相続発生後に開封してはいけません!!“遺言書“を発見した相続人もしくは、保管者が封筒ごと遺言を作成した人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に持ち込み、検認の申立てをします。

申立てに必要な書類

申立てには主に5種類の書類が必要です。

① 遺言書:法務局に保管されていない自筆証書遺言(または秘密証書遺言)
② 申立書(家庭裁判申立書)
③ 遺言者の戸籍謄本・除籍謄本
④ 相続人全員の戸籍謄本
⑤ 連絡用郵便切手:家庭裁判所からの返送用

遺言書の検認手続きの流れ

  1. 準備:申し立ての必要書類を揃える
  2. 申立て:家庭裁判所へ検認を申立てる
  3. 通知:家庭裁判所から検認期日について通知が届く
  4. 検認:家庭裁判所での検認に出席する(申立人は必ず出席)
  5. 検認済証明書の申請:検認済証明書の申請と遺言書の返還

遺言書の検認前に知っておくべき注意点

検認は、遺言書の内容や状態を明確にし、その後の偽装や破棄などを防止する手続きです。検認前に勝手に開封してしまうと5万円以下の過料が科される可能性があります。勝手に開封して直ちにその遺言書が無効になるわけではありませんが、他の相続人から遺言書の変造を疑われて揉める原因となりますから注意しましょう。また、不動産や銀行での名義変更の際は、遺産分割協議書か遺言書を提出しますが遺言書については“検認済証明書”がなければその自筆証書遺言書を提出することはできません。

【 まとめ 】

遺言を遺す側は、相続でのトラブルを未然に防ぎたい、などの想いがあり、作成される方も多いです。検認手続き自体に期限はありませんが、その他の相続手続きにも影響がありますので、すみやかに行うことに越したことはありません。
また、2020年7月より自筆証書遺言書を法務局で保管する制度が始まっています。遺言者ご本人が自筆証書遺言書を法務局に持参して、保管を申請できその遺言については検認が不要となるので近年利用が増えているので、検討されるといいでしょう。

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