名義預金

名義預金とは

名義預金は、父母や祖父母が、子や孫などの口座を作り、そこに、贈与をした体裁で、お金を入金していき作られていく事が多いです。子や孫のためにと思ってしたその贈与が、贈与としては認められず、相続の際に、名義預金として、相続財産に組み入れられ、相続税が課税されるというものです。

贈与とは

相続は、被相続人が亡くなったら、相続人が一方的に財産を承継する権利が発生しますが贈与は、あげる人である贈与者と、もらう人である受贈者が、お互いあげる、貰うという意思があって、初めて成立する“契約”です。
父母や祖父母が、子や孫が知らない間に口座を作り、いつ、いくらをあげているか分からない状態で、口座にお金を入金していっても、贈与は成立していないという取り扱いになります。その様な分けで、口座の名義は子や孫だとしても、実質的な財産の所有者は、父母や祖父母という事になります。

贈与税の時効は6年!?

贈与税の時効は、6年です。悪質な場合で、脱税目的で贈与を隠すなど故意に申告しなかった場合でも、7年です。
だからと言って、ご自身の名義預金は時効が成立するのでこのままでいいかと言うと、そうではありません。なぜなら、贈与が成立していれば、時効は成立しますが、そもそも贈与が成立していないので、時効が成立しないのです。名義預金は、名義預金を始めた時から、贈与はされておらず、名義上は子供の口座だけど、実質的に親の財産です。

ここまでのおさらい

1.名義預金は本来の持ち主が死亡したら相続税の対象になる
2.名義預金を生前に受け取ったら贈与税の対象になる
3.名義預金には時効が存在しない

税務署が名義預金を見分けるポイント

・口座の管理を子や孫がしているか
・届出印は、贈与者である父母や祖父母と受贈者である子や孫で違うものを使っているか
・口座作成時の届出住所は、子、孫の住所になっているか
・110万円を超える贈与をした場合、子や孫が自分で贈与税の申告をしているか

上記のポイントに税務調査官は目を光らせています。また、通帳作成時の印鑑が親や祖父母の通帳と同じものを名義人の通帳に使用していないかなども徹底的に調べていきます。

名義預金の税務調査と内容

税務署は事前に、相続人や贈与者などの関係者の口座の入出金の記録を金融機関に照会文書というものを送り、この照会文書をキッカケに得た取引内容を基に、他の口座を見つけていきます。そして、大きな入金や出金などがあれば、その内容を調査していきその中で、父母や祖父母の口座から、出金があった日付と、子や孫の口座に入金があった日付が近ければ、名義預金としてチェック(完全にマーク)したことを事前に確認した上で税務調査に臨みます。
その結果、多くの名義預金はあっさりばれてしまいまい結果として大きなペナルティを払うことになってしまいます。

名義預金を解消する方法

相続税申告で“名義預金”は税務署が一番に目をつける(バレやすい、見付けやすい)ことを理解したうえで、いま実際にしている名義預金をどうすればいいかをお伝えすると。

  1. 口座を本人に管理させ、適法な贈与をする
  2. 名義預金の口座から、名義預金を行った父母や祖父母の口座にお金を戻し、その後、適法に贈与をする
  3. 相続税申告をする
    といったことになります。
    そのうえで正しい“贈与”のやり方としては、口座を本人に管理させ、適法な贈与をする。また、 名義預金の口座から、名義預金を行った父母や祖父母の口座にお金を戻し、その後、適法に贈与をする。そのうえで、 相続税申告をする。といった流れになります。

【 まとめ 】

”名義預金”は、どのように相続税の節税を頑張っても、大きなペナルティを払い相続税対策をする前よりも多くの税金を払うことになり手残りの財産を失っているケースが多く、それを防ぐための事前対策としては「預金は名義人自身が口座を開設し通帳や印鑑を名義人本人が管理する」「早期の生前贈与を検討する」「相続時精算課税を利用する」など国が行う制度に則っておこなうことが固いやり方のようです。

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